障子の向こうに物語を忍ばせて。 Shoji Art Photo Frame – Tsuru Motif 開発ストーリー
日本の文化には、目に見えない“余白”や“奥行き”を楽しむ美しさがあります。
その象徴のひとつが、和室に佇む「障子」。
光をふんわりと透かし、仕切りでありながら向こう側の気配を感じさせる、独特の存在です。
今回ご紹介する 「障子アート写真立て(Shoji Art Photo Frame – Tsuru Motif)」 は、
そんな“和の余白”と日本の物語性を、小さなフレームの中に凝縮した作品です。

■ 発想の原点は「鶴の恩返し」の灯り
開発の最初のアイデアは、実はランプシェードでした。
日本の童話「鶴の恩返し」で、鶴が機を織る場面。
月明かりのような静かな光を、インテリアとして再現できないだろうか…
そんな思いからスタートしました。
しかし、電気の知識が乏しく安全性の確保が難しい。
それなら、別のアプローチで“あの物語の世界観”を再現できないか。
そこで浮かんだのが、
「障子を開けると、物語が姿を現すフォトフレーム」 という発想でした。

■ 本物の障子和紙を使い、ミニチュアの建具から制作
最も重要だったのは、“障子”としてのリアルさ。
市販の薄紙で似せるのではなく、
実際に障子で使われる和紙を使い、
フレームと同素材の木で枠を組むところから始めました。
もちろん、ミニチュアの障子を“滑らかにスライドさせる”ためには、
上下に溝柱(レール)が必要です。
NCフライスで溝幅を調整し、
紙の張り具合や木枠の微妙な寸法を何度も試作しながら、
思い描いた動きに近づけていきました。
「開く」「閉じる」。
たったそれだけの動作でも、“気持ちよい所作”でなければ意味がない。
そのこだわりが、この作品の核になっています。

■ 障子の向こうに現れる「鶴の恩返し」の世界
せっかくなら、ただのフォトフレームではなく、
物語を覗き込むような体験が欲しい。
そこでオリジナルで起こしたのが、
鶴が機を織る姿のイラスト。
障子を開けば鶴の世界がそっと現れ、
閉じれば静かに消えていく。
ただの“写真を飾る道具”ではなく、
毎日少しだけ物語に触れられるアートピースとして完成しました。

■ 壁掛けも“まっすぐ美しく”。独自の取り付け構造
この写真立ては、スタンドだけでなく壁掛けにも対応しています。
しかしその際、大きな問題が出ました。
市販の吊り金具だけで壁に掛けると──
フレームがわずかに下を向いてしまう のです。
これは和室の壁に飾ったとき、想像以上に気になる角度でした。
そこで、
背面に専用の取り付け金具を設計し、
本体と留め具が マグネットで吸着して“壁に対して平行”になる構造 を開発。

両面テープを留め具に貼り付けて固定することもできますが、画鋲を使うことで固定力が高まります。↓

実際の取り付け例がこちらです。

壁と完全に平行になることで、
真正面から見ても、美しい佇まいが保たれます。
小さなことですが、
この “几帳面な正面性” のために、何度も金具の形状を試作しました。
■ 細部に宿るこだわりこそ、日本の美意識

こうして完成した
Shoji Art Photo Frame – Tsuru Motif は、
ただの写真立てではありません。
- 障子の滑らかな開閉
- 和紙のやわらかな透け
- 木のぬくもり
- 物語を忍ばせたギミック
- 壁掛けでも美しい正面性
その全てが、この作品の“体験価値”を形づくっています。
障子を開くたび、
そこに小さな物語が現れ、
日常にそっと日本の美が溶け込む。
そんな時間を、ぜひ楽しんでいただけたら嬉しいです。
